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2023.09.25 NEWS

認知症の治療薬 レカネマブとは?介護の仕事はどうなる?

※最終更新日 2023年 9月26日

認知症に対する画期的な治療薬、レカネマブの承認が、今年8月、日本で確定しました。
しかし、その効果や使い方、社会的影響はどのようなものなのでしょうか?
このコラムでは、レカネマブの特徴や認知症治療の将来、介護の仕事の変化に至るまでを、3分程度で読める内容で解説します。


目次

1.認知症レカネマブとは?
2.日本ではいつから使える?価格は?
3.どんな人が使える?
4.これからの認知症、介護はどうなる?
5.まとめ


 

 

1.認知症レカネマブとは?

そもそも認知症とは?

認知症とは、脳の機能が低下して、記憶や判断力、思考力などが低下する病気です。
認知症にはさまざまな種類がありますが、最も多いのがアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症は、脳の中にアミロイドβ(ベータ)というたんぱく質が過剰にたまり、
神経細胞が傷つけられることによって進行します。
進行を遅らせることは可能ですが、現状では完全に治すことはできません。


レカネマブはどんな薬?

レカネマブは、日本のエーザイとアメリカのバイオジェンが開発した、アルツハイマー型認知症の治療薬です。
これまでの認知症に処方される薬では、根本的な原因であるアミロイドβの除去はできませんでした。
対して、レカネマブは、このアミロイドβというたんぱく質を減らすことにより、認知症の進行を遅らせる効果が期待される薬です。

レカネマブは抗体という物質で出来ています。
抗体は、体内に侵入した異物に結合することで、異物を排除する働きをする物質のことを指します。

レカネマブの場合、アミロイドに結合して体外に排出する働きを持つ抗体の働きをします。
投与の方法としては、通常は毎月一回、点滴による投与となります。


薬の効果は?

開発元であるエーザイのシミュレーションでは、症状の悪化を2~3年遅らせる可能性がある、との検証結果が示されています。
また、医学誌「The New England Journal of Medicine」によれば、治験開始から18カ月後に患者の認知機能を評価した結果、
レカネマブを投与された患者は、投与された患者に比べて、認知機能の低下が27%少なかったという報告があります。
一方で、検証の条件が限定的すぎる、投与に対するリスクや安全性について懸念すべきとの声も上がっています。

副作用は?

点滴による発熱・呼吸困難・アレルギー反応などが報告されています。
これらは、軽度〜中等度の症状で、処方を止めるには至っていません。
また、脳浮腫、脳内出血なども確認されていますが、多くのケースで症状は見られなかった、とのことです。

 

 

 

2.日本ではいつから使える?価格は?

いつから使える?

レカネマブは、2023年9月25に、厚生労働省から正式承認を得たと発表されました。
早ければ11月、12月から、実際に使用することができます。

価格は?

レカネマブの日本における価格や自己負担額はまだ決まっていません。
米国では、レカネマブの年間費用は約560万円とされています。
日本では、医療保険制度の下で、どのくらいの費用がかかるか、
どのくらいの自己負担額が必要かが、今後議論されていくこととなります。
高額な薬ではありますが、認知症の進行を遅らせることで、
介護費用や社会的コストを抑えることができる可能性もあるため、高額な医療費の負担は抑えられるとの見方もあります。
実際の薬価は60~90日後に決まる見込みとのことです。

 

 

3.どんな人が使える?

軽度の認知症で、画像診断を受けた方


レカネマブは、アルツハイマー型認知症の初期から中期の患者が対象となります。
一度壊れてしまった神経細胞をもとに戻す薬ではないため、壊れる前段階での投与が前提となります。

また、レカネマブを使うには、アミロイドが脳にたまっていることを画像診断で確認できる必要があります。
画像診断とは、PETMRIなど、脳の状態を画像で確認することができる検査のことです。
これらの検査では、脳内のアミロイドの量や分布を見ることができます。

レカネマブは、アミロイドが多くたまっている人に効果的ですが、少ない人や全くない人には効果がありません。
また、画像診断では、他の原因で認知症になっている可能性も排除できます。
したがって、レカネマブを使う前には、必ず画像診断を受ける必要があります。

 

 

 

4.これからの認知症、介護はどうなる?

早期発見がより重視されるようになる

治療薬の進歩により、認知症の早期発見、早めの対処がこれまで以上に重要視されるようになるでしょう。
認知症を早期に発見することができれば、治療薬が有効になるという認識が強まることで、病院を早めに受診する人が増える可能性があります。
通院体制を確保することは、これまで以上に重要となります。

レカネマブの使用を踏まえた介護、対応が重要になる

介護職、特にケアマネージャーは、投薬中の留意点についての情報を共有することが重要です。
レカネマブを使う患者や家族に対して、正しい情報やアドバイスを提供することが求められます。
また、レカネマブの効果や副作用に注意して観察することも大切です。
更に、経済的な理由などからレカネマブの使用を取りやめる場合など、ケースに応じた対応策を定めておく必要性が出てきます。

レカネマブは認知症を完全に止めることはできませんし、個人差もあります。
したがって、介護は今後も、高齢者の命を守る重要な職業であり続けるでしょう。

 

 

 

5.まとめ

国内で承認されたレカネマブはアルツハイマー型認知症の治療薬として期待されています。
しかし、効果や使い方については慎重に見定めることが必要です。

今後、認知症の新たな治療薬が研究されるにつれ、認知症の早期発見がより重要視されるようになると予想されます。
介護職には患者や家族への情報提供と、治療薬の情報を踏まえた個別の対応が求められます。
レカネマブや新薬の登場により、認知症治療と介護のあり方が変わるかもしれません。
しかし、高齢者の支えとなる介護職は依然として重要な役割を果たし続けることでしょう。

 

 


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