COLUMNお役立ちコラム

2023.10.23 お役立ち情報

資格がなくても大丈夫?介護施設での調理員の仕事内容とは

介護施設での調理員の仕事には、どのような役割があり、そのためにはどのような資格や技術が必要なのでしょうか?
また、未経験者や資格を持たない方にとっても、調理員としてのキャリアは築けるのでしょうか?

この記事を読むことで、以下のポイントが明らかになります。

  • 介護施設での調理員の主な業務内容とは何か?
  • 未経験者や資格を持たない人が、介護施設で調理員としてのキャリアをスタートできる方法はあるのか?
  • 仕事のやりがいや、向いている人の特徴は?
  • 調理員にキャリアアップについての道はある?
  • どんな介護施設で働ける?

介護の施設についてよく知らない方や、調理の仕事に興味がある方にとって、参考になる情報が載っています。
今後のキャリアを築く際の参考に、是非ご覧ください。

 

目次

1.介護施設で調理に関わるスタッフの種類
2.介護施設の調理員の仕事内容は?
3.介護施設の調理スタッフの働き方
4.介護施設で調理スタッフになるのに資格は必要?未経験でもなれる?
5.介護施設の調理員に向いている人
6.介護施設の調理員の仕事のやりがい・メリット
7.どんなキャリアアップができる?
8.働ける施設は?
9.まとめ

 

 

 

1.介護施設で調理に関わるスタッフの種類

 

●調理師

調理師は、調理師の資格をもったスタッフです。調理はもちろん、メニューの発注や管理も業務内容となります。
栄養バランスを考慮し、利用者様が健康的で美味しい食事を楽しむことができるよう、管理するのが調理師の役目です。
栄養士管理栄養士が在籍している施設の場合、調理業務に専念するケースもあります。

●調理補助

調理補助は、調理師をサポートする役割を果たします。
食材の下ごしらえや計量、調理器具の手配などを担当し、調理師がスムーズに仕事を行えるように手伝います。
調理師の指示に従いながら、キッチンでの作業を補助し、食事の準備を円滑に進められるよう補助する役割です。

●調理員

調理の資格を持たないスタッフが、補助だけでなく調理まで行うケースもあります。
調理員はさらに、食事が終了した後に食堂や台所を片付け、清掃する役割となります。
調理は予め決められたメニューやレシピに従って行う場合が主です。
派遣やパートなどの形態で勤務できる場合もあります。
このコラムでは、主に無資格でもできる調理員の業務について解説していきます。

 

 

 

2.介護施設の調理員の仕事内容は?

●調理スタッフ基本のお仕事

調理
調理員の主要な仕事は調理です。
調理員は調理師からの指示や決められたメニューに従いながら料理を作ります。また、利用者様の食事制限やアレルギーに合わせて、個々に対応した調理が必要となります。

盛り付け
調理が終わった料理を盛り付けることも調理員の仕事です。
食事を1日の楽しみにされている利用者様も多いため、料理の盛り付けも重要な業務です。
また、利用者様の体調や摂る食事の量に合わせた分量の配分も考える必要があります。

配膳
調理が終わった料理を利用者様に提供するため、調理員は配膳も行います。
利用者様に温かい食事を提供するため、時間通りに配膳作業を進める必要があります。
軽い挨拶程度のコミュニケーションをとる場面になりますが、もしも不安がある場合は、認知症に対する知識の基礎を抑えておくと安心です。

片付け、清掃
食事が終了した後は、食堂や台所を片付けて清掃する役割も調理員にはあります。
清潔な環境を保つことは、利用者様の健康と快適な食事体験に欠かせない要素です。
とくにご高齢者の場合、ちょっとした洗い残しが体調の変化に影響する場合もあります。
意識して清潔さを維持することが重要です。

食材の在庫チェックや発注
施設によっては、食材の在庫を管理し、必要に応じて発注を行うことも業務に含まれます。
食材の新鮮さや品質に気を配って在庫管理をすることが重要です。
食事の提供に欠かせない食材が常に揃っていることを確認します。

●介護施設の調理師が気を付けるポイント

利用者様に合わせた調理を行う
介護施設では、利用者様の健康状態や食事制限に合わせた調理が求められます。
利用者様の個別のニーズを理解し、特別な食事要件に応じて料理を提供することが大切です。
食物アレルギーや嚥下障害(飲食物が気管に入りやすい状態)などの制約に配慮し、安全かつ美味しい食事を提供します。
食材をハサミや包丁で細かく刻んだ きざみ食 や ミキサー食 などの介護職を用意する必要があります。

個別のニーズに対応することは、介護施設で働く調理員の欠かせない業務のひとつです。

調理師、栄養士からのアドバイスに従う
調理師や栄養師、管理栄養士が常駐する職場の場合、食事についてアドバイスを受けることがあります。
栄養バランスや特別な食事プランについての指示に従い、利用者様に適した食事を提供するために協力します。
連携と情報共有が十分でない場合、時には薬との飲み合わせなどにより、命に関わる危険もあります。
情報共有に漏れがないよう、しっかりとコミュニケーションをとることが重要です。

 

 

 

3.介護施設の調理スタッフの働き方

介護施設の調理スタッフは、特有の働き方や勤務条件が存在します。ここでは、その詳細を説明します。

●勤務する時間

多くはシフト制
介護施設の調理スタッフは、通常、シフト制で勤務します。
これは、朝から夜まで施設が運営されており、利用者様への食事提供が行われるためです。
1度の勤務で2食分の食事をつくる場合が殆どです。
介護スタッフのように夜勤はありませんが、シフトによっては早朝からの勤務となる場合も多くあります。
多くの場合では、早出、通常勤務、遅出などの交代制勤務となります。

残業は少なめ
介護施設の調理スタッフの勤務時間は比較的規則的で、通常の勤務時間外に残業が発生することは少ない傾向があります。
長時間の残業が必要な場合は稀で、仕事とプライベートのバランスを取りやすい環境が整っています。

●施設の規模によって働く人数は異なる

介護施設の規模に応じて、調理スタッフの配置や働く人数が異なります。
大規模な施設では、多くの調理スタッフが雇用され、それぞれが役割分担をしながら食事提供に従事します。
一方、小規模な施設ではスタッフの数が限られており、調理スタッフは多くのタスクをこなすことが求められます。

一般的に、利用者様の人数が20人以下であれば、調理スタッフは1人~2人という場合が多くあります。
利用者様が80人以上の大きな施設の場合調理は調理師や栄養士が行い、盛り付けなどは無資格の調理補助、調理員が担当するという分業体制がとられています。

働き方は大きく変化するため、自分はどの程度の規模の施設で働きたいか、という見立ても重要です。

 

 

 

4.介護施設で調理スタッフになるのに資格は必要?未経験でもなれる?

4.1 とくに資格は必要でない

調理スタッフとして介護施設で働くために、調理師や栄養士の資格は必須ではありません。
多くの施設では、基本的な調理技術と衛生管理に関しては指導があり、未経験者でも技術を習得する機会があります。

したがって、食の分野に興味がある未経験者や、介護の現場から転向した方、資格を持たない方も応募できます。
勿論、調理師の資格をもった方のニーズは高いため、資格取得を目指すことで選択肢は広がります。

 

 

 

5.介護施設の調理員に向いている人

●料理好きな方

調理員としての仕事は、料理を通じて利用者様に美味しい食事を提供することが中心です。
料理が好きで、食べ物に対する情熱を持っている方は、この仕事に向いています。
食材を工夫して調理することが楽しみである方は、調理員としてのやりがいを感じることでしょう。

●共同作業が好きな方

特に大規模な介護施設では、多くのスタッフと協力して業務を遂行することが一般的です。
食事の配膳や片付け、清掃など、チームで協力しながら行う作業が多いため、共同作業が好きで協調性がある方が適しています。

●衛生面に配慮できる方

体調を崩しやすい高齢者の方に提供する食品の取り扱いには、高い衛生基準が求められます。
介護施設の調理員は、衛生面に特に注意を払う必要があります。食材の取り扱い、調理器具や調理場の清潔さを保つことが重要です。
衛生規則を遵守し、利用者様の健康と安全を守るために、衛生面に配慮できる方が向いています。

●思いやりがある方

介護施設の調理員は、利用者様の好みや食事制限に対応し、思いやりのある対応が求められます。
温かい心で利用者様のことを考え、食事を通じて彼らの生活をサポートすることができる方にとって、この仕事はやりがいと充実感に繋がります。

●不規則な生活リズムに対応できる方

介護施設の調理員の勤務時間は変則的で、朝早くからの勤務が多いことがあります。
柔軟性を持ち、変則的な勤務時間に対応できる方であれば、活躍しやすいでしょう。

●主婦の方にもおすすめ

主婦の方にとっても、介護施設の調理員の仕事は適しています。
家事や料理経験を活かして、社会に出ながら家庭との両立がしやすい職種です。
また、食事の提供によって利用者様に笑顔を届けることができるため、やりがいにもつながります。

 

 

 

6.介護施設の調理員の仕事のやりがい・メリット

介護施設での調理員としての仕事には、さまざまなやりがいやメリットがあります。以下にその一部を紹介します。

●美味しい食事を提供する喜び

介護施設の調理員は、利用者様に美味しい食事を提供する役割を担います。
健康状態や食事制限に応じた食事を調理し、利用者様が満足する食事体験を提供することが喜びとなります。
その笑顔や感謝の言葉を受けることで、やりがいを感じるでしょう。

●毎日の喜びや生きがいを支えられる

介護施設での調理員は、利用者様と日々の食事を共にする機会が多いため、彼らの生活に密接に関わります。
1日の一番の楽しみを、食事と答える利用者様もいらっしゃいます。
自分の仕事が他人の生活に喜びや生きがいをもたらす一因となることは、非常に充実感を感じることでしょう。

●調理師を目指せる

介護施設での調理員の経験を積むことで、調理師の資格取得を目指すことができます。
調理のスキルや知識を磨き、将来的にはより高度な調理技術を身につけることができます。

●残業が少ない

介護施設の調理員の多くは、比較的定時で帰宅することができ、残業が少ない傾向にあります。
他の介護職や飲食店の調理員と比べると、業務の時間や内容、サービスの対象がしっかりと定められており、スケジュール通りに仕事をするという性質が強いためです。
これにより、プライベートの時間を大切にしながら、仕事と生活のバランスを保ちやすい環境が提供されます。

 


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7. どんなキャリアアップができる?

調理師の受験資格取得に繋がる

調理師の資格取得には、2年以上の実務経験が必要となりますが、介護施設での経験についても資格取得の要件として認められます。
また、調理師を目指す場合、調理技術や衛生管理、栄養学に関する知識が求められます。
介護施設は、これらのスキルを磨くための経験を多く得ることができます。

調理師の資格を取得することで、手当が得られるほか、より幅広いキャリア展開が期待できます。
また、介護施設の厨房でマネジメント職として活躍するという道も開けます。

介護施設で調理員として働くことで、食の専門家としてのキャリアを築くことができます。

 

 

 

8.働ける施設は?

介護施設での調理員としてのキャリアを考える際、働ける施設の種類や選択肢を知ることが重要です。以下は、調理員として働く場として考えられる施設の一部です。

8.1 介護老人保健施設、介護老人福祉施設

介護老人保健施設や介護老人福祉施設では、要介護度が重度の利用者様も多く、個人に合わせた食事の用意が必要です。
これらの施設では、栄養士や管理栄養士が勤務していることが特徴です。
利用者様に合わせた献立の用意などの指示を受けながら、調理業務を行います。

8.2 サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が自立した生活を送るためのアパートのような住まいです。
比較的、要介護度が低い利用者様が入居されています。
栄養士は在籍していないことが多く、調理師が中心となります。

8.3 デイサービス

デイサービス施設は、比較的介護度が軽度の方が、日中を過ごす通い型の施設です。
宿泊施設が同じ敷地内にある事業所などでは、交代制の勤務となります。

8.4 グループホーム

グループホームは、認知症のある利用者様が少人数で共同生活を送る施設です。
調理は介護職が行うことが多いため、調理員ではなく介護職としての勤務となります。
食事の配膳などは利用者様と一緒に行うこともあります。

 

介護施設での調理員としての仕事は、施設の種類によって異なる特徴があります。自分のスタイルや志向に合った施設を選び、調理員としてのキャリアを築いていきましょう。

 

 

 

9.まとめ

介護施設の調理員は、利用者様に美味しい食事を提供し、食事環境を整える役割を担います。
主な業務内容には調理、盛り付け、配膳、片付け、清掃、食材の在庫チェックや発注などが含まれます。

調理員になるためには特別な資格は必要ありません。
調理師や栄養士の資格があると有利ですが、未経験者も歓迎されることが多く、現場で技術を学ぶ機会が提供されます。また、介護施設での調理員の経験は、調理師の受験資格取得にも繋がり、調理師としてのキャリアアップが可能です。

介護施設で調理員として働く場として、多様な施設形態があります。
施設の規模や利用者様の介護度などを参考にし、自分の志向に合った施設を選びましょう。

介護施設での調理員としてのキャリアは、食事を通じて利用者様の生活をサポートし、やりがいと充実感を得られる貴重な職種の一つです。
未経験からのチャレンジを考えている方も、この仕事を通じて多くの人々に貢献できることでしょう。

 


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